バガボンドSAKURAGAWA

さくらがわ

~音楽劇として生まれ変わった謡曲「桜川」~

茨城県桜川市を舞台とした謡曲「桜川」を茨城県出身の小池が新たに再構築し、上演した作品。郷土に根付いた文化に強く影響を受けながらも、様々な文化を融合。現代人にも親しみやすく、かつ伝統芸能への興味を引き出す、全く新しい音楽劇として生まれ変わった。

普遍的な愛の物語

「桜川」は、能作品の中でも親子愛や死生などの普遍的なテーマを扱った「愛の物語」と言える。子を探しながら、母親のたどった道、宮崎・福岡・兵庫・静岡・茨城は中央構造線と呼ばれる断層帯に沿っており、その当時の災害への鎮魂を伝えているという説もある。『バガボンド~SAKURAGAWA』では、謡曲「桜川」にはなかった、日向の国(宮崎県)から桜川(茨城県)に至るまでの道程を膨らませ、災害の絶えない日本への祈りを描く。

国も時代も越えた多様性

舞台上では日本の伝統的な音楽である雅楽や、チェロ、ギターなどの西洋楽器、ミュージック・ソーなどの現代的な音楽表現、ラップやヴォイス表現など、あらゆるジャンルの音楽が調和してハーモニーを生み出す。また、出演者は能楽師、バリ舞踊家、コンテンポラリーダンサーなど、異なるバックグラウンドを持つ身体を舞台上で融合。国も時代も越えた、まさにダイバーシティによる舞台作品。

公演実績
「バガボンド SAKURA-GAWA」

室町時代、日向の国(現在の宮崎県)に母と桜子、二人きりの家族があった。母子の暮らし は大変貧しく、日々を生きていくのに精一杯。生活を案じて悪さばかり働いていた桜子は、ついには人買いに我が身を売ることを思いつき、その身代金を母に渡すよう頼み故郷を発つ。しかし、息子がいなくなったことを知った母は嘆き悲しみ、子を探す旅に出つ。苦難にさらされな がらも旅を続ける母は、夢か現か、次第に境目があやふやになりながらもたどり着いた「桜川(茨城 県)」の地で、ついに桜子との再会を果たし、再び我が子を抱きしめることができたのだった。 

「バガボンド SAKURA-GAWA」

公演日 2019年3月20日 
会場 茨城県民文化センター 小ホール(水戸/茨城)

企画・提案 山崎信正(平成29年度企画公募採択事業提案者)
演出・脚本・振付・構成 小池博史
音楽家 太田豊(横笛、サックス)下町兄弟(パーカッション、ラップ)アラン・パットン(アコーディオン、ミュージック・ソー)大澤逸人(ベース・コントラバス)川嶋信子(琵琶)
祭美和(ヴォイスパフォーマンス)
出演者 清水寛二(能楽師)小谷野哲郎(バリ舞踊家、ガムラン奏者)日下麻彩(パフォーマー、声楽)甲斐美奈寿(パフォーマー)
映像 飯名尚人
衣装 浜井弘治
仮面 イ・ワヤン・スティアルカ
照明 富山貴之
音響 印南昭太朗
舞台監督 中原和樹
制作 柴田佳恵
制作協力 株式会社サイ
主催 茨城県 公益財団法人いばらき文化振興財団

「バガボンド SAKURA-GAWA」(ライブバージョン)

公演日 2019年3月22日 
会場 ACOUSTIC LIVE HALL TheGLEE(神楽坂/東京)

演出・音楽構成 小池博史
音楽家 太田豊(横笛、サックス)下町兄弟(パーカッション、ラップ)アラン・パットン(アコーディオン、ミュージック・ソー)大澤逸人(ベース・コントラバス)川嶋信子(琵琶)日下麻彩(パフォーマー、声楽)祭美和(ヴォイスパフォーマンス)
主催 株式会社サイ

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